マーケティングのフレームワーク

マーケティング

はじめに

 マーケティングには有名なフレームワークがいくつかあります。たとえは、4P分析、3C分析、 SWOT分析、PPM分析など、これらのフレームワークを上手に活用することでかなりのマーケティング業務の効率化が期待できます。また、アウトプットのクオリティを上げることにも繋がります。

 その理由は、これらのフレームワークは、昨日今日できたものではなく、何十年もの間、マーケティングの現場で活用され続けた結果生き残ったものだからです。生き残るにはそれなりの理由があつたはずです。それは、マーケティングの本質を捉えるのに適しているからではないでしょうか。さらに加えて、どのフレームワークも一枚の表にまとめられるというシンプルさも長く使われ続けてきた一つの理由だと考えます。

 ただし、これらのフレームワークは、適材適所で使わなければ、返って問題を複雑化したり、論点がずれてしまうこともあります。また、フレームワークを活用することが目的にすり替わってしまつた場合は、議論した結果、”えっと、それで?”という結果になりかねません。

適材適所の活用

 詳細の活用は、別の記事にしていきたいと思いますが、この記事では目的とそれに合うツールの整理をしたいと思います。まず、目的を、マーケティングのプロセスに準えて、市場(顧客、競合、流通、メディア)顧客分析、戦略立案、ディスカッション、代理店オリエン、企画プレゼンテーションに分けて考察してみます。

まず、市場分析ですが、これにはなんといっても、3Cがぴったりのフレームワークです。自社company, 顧客customer、競合competitorの三つに分類してロジカルなファクト整理が可能です。ただし、これには、ソーシャル要素が欠けていることは注意した方が良いと思います。例えば、流通、メディアなどです。これらの要素をどう補うかにノウハウが必要です。また、他社との比較の中で自社分析に特化するにはSWOT分析が有効です。

戦略立案には、4Pが適しています。プロダクト、プライス、プロモーション、プレイスの要素を抜けもれなく網羅することが出来るからです。市場環境のSWOTと戦略立案の4Pはとても相性が良く強みを強化、弱みをカバーするなどのアクションをSWOTで考察し、それらを4Pに落とし込んで行くととても筋の通った戦略が考えられます。

ディスカッションには、プロスアンドコンス分析が最適です。ディスカッションは単に意見を言い合うだけでなく、あえて対立意見に分類して比較することでより良いプランに繋げることができます。その考え方はまさにプロスコンス表によって分かりやすく可視化出来ますし、見えることでより議論が活性化できます。

代理店オリエンには5W1Hを推奨しています。ただし、私は、how much、つまりコストとKPIの要素を加えて5W2Hにアレンジています。代理店オリエンはとかく感性的で曖昧なものになりがちですが、発注時の曖昧さは大抵の場合後々ネガティブに働いてきます。5w2hに与件を整理することでその曖昧さが極小化できることで結果的に良いアウトプットに繋がります。

 社内の企画プレゼンテーションには、総力で臨むべきですが、一つのプレゼンテーションの中に似て非なるフレームワークがいくつも登場すると聴く側が混乱します。したがって、これは外せないというキーメッセージに合う一つのフレームワークにフォーカスして活用するのが良いでしょう。例えば、今までにない新たな顧客を設定した場合は、の理由を3Cで説明すると説得力があります。社内で良い意見が複数出て一つのプランに絞るのに苦慮した場合は、そのプロセスをプロスコンス表で示すのも良いでしょう。

こんな効果も

 また、これらのフレームワークは、チームの思考の足跡を残す効果もあります。うまくいったときには、この足跡を辿ることで、将来のキャンペーンに応用できる思考パターンが見つかるかもしれません。逆に上手くいかなかつた場合には、思考のプロセスのどこで間違えたのか、客観的に反省することも出来ます。

まとめ

 フレームワークは、何度も使っているうちに自分なりの使い方のコツやカスタマイズの仕方が分かってきます。そうなるとフレームワークがまるで自分の思考の一部かのように自由自在に使えるようになってきます。優れたマーケティング・フレームワークは、マーケターに思考の自由をもたらしてくれます。

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