ブランドとは

マーケティング

はじめに

ブランドを目にしない日はありませんね。SNS, TVなどのメディア、そして街中にもブランドは溢れています。また、ブランド製品をひとつも持っていない人は殆どいないと思います。今やブランドは、私達にとってとても身近なものとも言えます。では、ブランドが何かを説明できるでしようか。何となく分かってはいるけど説明するのは難しいですよね。ブランドについて考察していきましょう。

ブランドの起源

ブランドは、欧州で家畜の所有を示すために押した焼印が語源だと言われています。”この牛は、他の誰のものでも無い、おれのものだ。盗むなよ。” という印です。したがって、一目で隣の家とは違うと分かる印でなければなりません。つまり、他と違う事を示す必要があるわけです。この起源は、差異化がブランドの重要な要素であることを決定付けています。

ブランドは深い

そして、その焼印には、その家の名前や家紋が記されていて、その家には歴史があり、牧畜の独自のやり方があり、先祖や家族が居ます。焼印が家畜以外のもの、例えば、刀、馬車、鞄などにも押される様になり、その印が、そのものの製作者、品質、産地などを表す様になって行ったものと推測します。こうしてブランドは、マーク=印だけではなくその背景にあるものをも表す様になりました。これが今のマーケティング・トレンドであるストーリーテリングへと繋がっています。

代表的なブランド

欧州においては、ブランドは家名であることが多いです。ルイヴィトン、エルメス、グッチ、皆人または家の名前です。そして、高級ブランドが数多くあります。

一方でアメリカ系のブランド、コカコーラ、GAP、CITI BANKなど家名とは別の造語をつけるブランドも数多くあります。もちろんマクドナルド、フォードなど名前に由来するブランドも欧州同様に有力です。いずれにしても欧州に比べて比較的カジュアルなブランドが多いとも言えます。

日本はどうでしようか。古来、暖簾が伝統的なブランドのあり方でしたが、蔦屋、資生堂、などは今も残る暖簾の例です。一方で第二次世界大戦後にできたブランド、ホンダ、ソニー、そして、ユニクロ、無印などは暖簾とは一線を隠して、アメリカ型のブランドが主流です。テクノロジーや製造力を背景に持つブランドが比較的多いですね。

ブランドの重要性

ブランドは、もともと差別化のためだったと書きました。それは本質的な要素です。その他にも、品質の保証という役割もあります。家の名前をつけた製品の品質は本気で守りたくなりますよね。また、ブランドにはイメージが溜まっていきます。例えば、同じヘッドホンを買うにも、決め手となるのは、そのブランドが持つイメージである場合が多いです。ノイズキャンセルなどの機能が良さそうなソニー、iPhoneとの相性が良さそうなApple, ストリートっぽいBEATS, 音質が良さそうなBOSEなど。これらは、一朝一夕に溜まったイメージではなく、それまでの過去の製品の広告や評判などが累積して形成されるものです。

ブランドの仕事

SNSなどインターネットメディアの発展と共にブランドの仕事は複雑化しています。マーケティングが進化した結果、良いモノを作るだけでは売れない時代になりました。一軍ブランドとそれ以外でブランドデバイドも起きています。一方で、新興の韓国ブランドはアメリカにおいて次々と成功を収めています。これらは全て、マーケターの仕事の成否によるところが大きいのです。別記事にマーケティングとは売れる仕掛けを作ること、と書きましたが、売れる仕掛けがブランド力に直結する時代なったと言えます。マーケターの責任とやり甲斐はますます大きくなって来ています。

ブランド力は利益に宿る

価値の低いブランドは競合と似た製品を出しても競合より価格を割引かなければ売れません。また、より広告を出すことも必要かもしれません。低価格高コスト体質に陥り利益は出ません。一方で価値の高いブランドは競合よりも高く売れます。しかしその分、手厚く店頭づくり、カスタマーサポート、品質管理に投資をしなければなりません。このバランスを取って利益を出すことはそう簡単ではありません。しかし、それをブレイクスルーして維持できるブランドこそが真に価値の高いブランドだと言えます。結果として、ブランド力は利益に宿る、は正しいのです。

まとめ

ブランドについて考察してみましたが、いかがだったでしょうか。ブランドの世界は歴史が長く奥が深いため全てを考察することはできませんが、マーケターとして押さえておくべきファクトやアイデアをご紹介したつもりです。自分のブランド体験を基に検証してみるのも良いと思います。

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