ストーリーテリングとは

マーケティング

はじめに

マーケティングの現場でここ数年よく聞くようになった言葉にストーリーテリングがあります。日本語だと物語りまたはお話しですね。そのままの意味でマーケティングで活用して良いのでしょうか。ストーリーテリングの本場はアメリカです。ニューヨークで見たマーケティングの現場での経験を元にストーリーテリングについて考察します。

ストーリーテリング話せるネタ

私達はストーリーテリングというとついついブランドの生い立ちなや歴史、フィロソフィーなどのオフィシャルストーリーを思い浮かべるのですが、私はもう少し緩く”話せるネタ”と訳して理解しています。話をするということは、語る本人と聞く人がいる訳です。そうなると、誰にでも同じように話すネタと、顧客に合わせて臨機応変に話したいネタがありますね。1分しか話す時間がない場合もあれば、30分たっぷり語る場合もあります。相手が一人の時もあれば大勢の時もあります。色々なネタがあった方が語りやすいですね。

ストーリーの種類

まず、典型的なのはブランドの歴史や創始者のストーリーです。アメリカの若いD2Cブランドには、創始者がインフルエンサーでそのフォロワーがユーザー化するというパターンがあります。その場合は創始者の人生そのものがストーリーになります。ただし、この場合は、創始者本人の稼働がいつも必要になります。

また、別のパターンとして製品の素材や材料のユニークさをストーリーにする例があります。アメリカのFARMACYという化粧品ブランドは、はちみつを使用して化粧品を作っています。また、どこの百貨店にも必ずある化粧品ブランドのLA MERは海洋深層水を使っています。このような素材の特殊性からは多くのストーリーを作ることができます。

そして、他にも多くみられるのは、環境保護や慈善活動をストーリー化することです。例えば、価格の一部を慈善活動に寄付するモデルを早期に始めた時計のNordgreen、パーツを自分で交換して使い続けられるFairphoneなどはこれにあたります。

ストーリーテリングの場

自社のブランドWEBにフィロソフィーの動画を掲載する、ソーシャルメディアを通じて小ネタを発信する、インフルエンサーにそれを拡散してもらうなどは、ストーリーテリングの王道です。

以外と見落とされがちなのが、店頭接客におけるストーリーテリングです。特に自社の販売員を置けないお店では、POPや、展示台でストーリーを伝える工夫が必要です。最近の韓国ブランドはこれに長けています。

忘れてはいけないのは、株主総会などステークホルダーに対するストーリーテリングです。これはCEOの重要な役割です。企業リーダー自身がいかに株主を魅了し続けるメッセージを発信できるか真価が問われます。

ストーリーテリングのコンテンツタイプ

今日のマーケティングにおけるコンテンツは、主に動画、音声、画像、コピー(文字)に分類されます。ストーリーの種類と伝える場所によって最適なコンテンツタイプが決まります。例えば、素材のユニークさを語るのに産地をこだわってることを伝えるのであれば、シズル感のあるビデオが有効です。一方で同じ素材でもその効果を伝えるのであれば、ビフォーアフターの写真と計測データをテキストするのが効果的ですね。実は音声はストーリーテリングには威力を発揮します。例えば店頭の販売員のトークは音声です。RSSフィードされる音声コンテンツも使い方によっては有効なストーリーテリングになり得ます。

最後に

いかがでしょうか。ストーリーテリングは、マーケティングにおいて大きなトレンドです。ソーシャルメディアの発達によりユーザーがブランドの裏側まで知れるようになったことでより脚光を浴びたという時代の流れもあります。それと同時に誤解されやすいマーケティング手法でもあるため正しく理解して適切なプランに落として行くことが必要です。

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