2023-3024年の2年間NYCに住んでいました。Smallsをはじめとしてジャズクラブやバーのジャムセッションに参加しました。東京とNYCにおけるジャムセッションの違いを見ていきましょう。尚、比較の参考にしたのは、
東京:高田馬場Intro, J-flow, 旧目黒Sonoka, 下北沢Apolloなど
NYC: Smalls, Basi’k, Hamilton hall, Turnmilなど
です。
①チャージが無料
日本では、ジャムセッションに参加チャージが設定されていることが多いですが、NYCではほとんどのジャムセッションがチャージ無料です。ただしホストバンドへのチップボックスが置かれている場合が多いので、そこに気持ち分を入れることが多いです。この背景には、ニューヨークのクラブやバーは食べ物や飲み物でしっかりと顧客を抱えてビジネスをしていてそれ以上に顧客からお金を取ることは想定をしていないという商習慣があると思います。
②知らない曲がコールされることが多い
NYCでは”黒本”のなどの楽譜はみません。皆曲をよく知っていて楽譜を見なくても大体の曲はできてしまいます。僕も東京では曲を知っている方だと思っていましたが、こちらNYCでは、”俺って曲知らないな”と思い知らされることが多かったです。例えばOld MilestoneやEmilyなどはNYCに来てから覚えました。日本のジャムセッションではあまりやりませんね。
③名前が呼ばればない
NYCのジャムセッションには一部の店を除き参加名簿がありません。基本的にオレオレ文化の国です。シャイな態度は評価されません。図々しいくらいに出ていってちょうど良いです。とは言っても同じ人間同志、譲り合いも時には要求されます。
④聴衆があたたかい
NYCのジャムセッションには、聴衆がいます。逆に言うと聴衆のいるところを狙ってジャムセッションをやっているという言い方もできます。例えば、バーの日曜日がジャムセッションの日になっているなどです。聴衆がよく音楽を知っていて、反応も温かいです。東京のジャムセッションでリスナーを見かけたことはあまりありません。
⑤レベルはそんなに変わらない
全体的な演奏のレベルは東京と比べてそれほど変わりません。どちらにおいても、個人のレベルは初心者から上級者までさまざまです。NYCにおいても、Village Vanguardなどで活躍しているグローバルレベルのミュージシャンがジャムセッショに来ることはまずありませんが、日本ではなかなかお目にかかれないような無名のローカルミュージシャンをジャムセッションで目にすることは時々あります。あと、ドラマーとギタリストのレベルは日本に比べて底辺が高いように感じます。
以上、主な日米ジャムセッションの違いを見てきました。東京のジャムセッションは決してNYCに劣りません。楽しみましょう。